🐄 COW COMPOSER EASY START GUIDE

Cow Composer
かんたんスタートガイド

日本の酪農現場のための牛群分析ソフト

このガイドを読めば、今日から繁殖検診が始められます。

対象:繁殖検診担当の獣医師・農場スタッフ / 対象OS:Windows 10 / 11 / ver. 2026.04

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農場ファイルの作成

最初の一歩。農場データの「入れ物」を作ります。

Cow Composerを起動する

restart_falcon.bat をダブルクリック(またはデスクトップのCow Composerアイコン)して起動します。

農場選択画面

画面イメージ①:起動直後の農場選択画面

新規農場を作成する(3ステップ)

「新規農場を作成」ボタンをクリックすると、ウィザードが起動します。

  • 1
    農場名を入力
    農場名はフォルダ名になります(日本語OK・スペース不可推奨)。 入力後「次へ」をクリック。
    データ保存先:C:\FARMS\{農場名}\farm.db
  • 2
    保存場所の確認
    農場フォルダの保存先が表示されます。通常はそのまま「次へ」で進みます。
  • 3
    個体登録テンプレートの出力(任意)
    多頭数を一括登録したい場合はExcelテンプレートをここで出力できます。 急がなければ「スキップして完了」でOKです。
完了!農場リストに新しい農場が表示されたら作成完了です。農場名をダブルクリックして開いてください。

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個体マスターの登録

牛を登録することで、すべての管理が始まります。

農場を開くと、左側にサイドメニュー、右側にメイン表示エリアが表示されます。

メイン画面の構成

画面イメージ②:メイン画面の構成

方法① 1頭ずつ登録(導入)

新しい個体を1頭ずつ登録するときは、サイドメニュー「牛の管理 → 導入」を開きます。
個体カードに「+新規登録」のような操作はありません。個体カードは既存の牛の一覧・閲覧やイベント入力に使います。

個体カード画面

参考:個体カード画面(牛の一覧・個体情報の確認・イベント入力に使用)

入力項目説明
導入日・登録日農場に入った日、繁殖指標の起点日(登録日が空欄のときは導入日に合わせます)
JPN10(10桁)個体識別耳標の番号。先に入力します。
ID(自動)JPN10を入力すると、正式10桁のうち拡大4桁に相当する部分から農場内ID(4桁)が自動設定されます。
TAG(タグ)任意。農場独自の管理番号(耳番など)を付けたいときに使います。一覧・個体カードのタグと同じ項目です。
品種・生年月日わかれば入力
産次(lact)0=未経産、1以上=経産牛。繁殖検診・妊娠率に直結する重要項目。
分娩月日・最終授精日・授精回数・受胎の有無・PEN などわかる範囲で入力すると、導入直後から繁殖管理が正しく動きます
重要:産次(lact)を正確に妊娠率(21日PR)の計算は経産牛(産次≥1)のみ対象です。未経産(産次=0)は対象外になります。必ず正確に入力してください。
導入入力画面

画面イメージ③:導入入力画面

購入・移動で来た牛も同じ外部から入った牛の登録も、この「導入」画面で行います。保存すると導入イベントが記録されます。
過去情報を入力するほど精度が上がります「分娩月日」「最終授精日」などを入力しておくと、導入後すぐに繁殖検診の対象牛として正しく認識されます。わかる範囲で入力しましょう。

方法② Excelで一括登録

  • 1
    「テンプレートを出力」でExcelファイルを保存
  • 2
    Excelに個体情報を入力して保存
  • 3
    入力済みファイルを選択して「取り込む」をクリック

3

イベントの入力

分娩・授精・妊娠鑑定など、牛に起きた出来事を記録します。

イベントとは?牛に起きた出来事(分娩・授精・妊娠鑑定など)を日付とともに記録したものです。Cow Composerはすべての情報管理、分析をイベントをもとに動かしています。

イベントの入力方法

  • A
    個体カードを開く → 対象牛を選択 → 「イベント入力」ボタン
  • B
    サイドメニュー「牛の管理 → イベント入力」から直接入力

主なイベント

一覧ではありませんCow Composerには定義済みのイベントが他にも多数あります。下表は代表的な例です。番号・名称・カテゴリの全体は、イベント入力画面で選べる一覧、または同梱のイベント辞書(config_default/event_dictionary.json)で確認してください。
番号略称イベント名カテゴリ
200AI人工授精繁殖
201ET受精卵移植繁殖
202CALV分娩分娩
203DRY乾乳管理
204STOPR繁殖停止管理
205SOLD売却管理
206DEAD死亡・廃用管理
208BLVBLV検査結果健康
302PDN妊娠鑑定マイナス繁殖
303PDP妊娠鑑定プラス繁殖
304PDP2妊娠鑑定プラス(直近以外)繁殖
305ABRT流産繁殖
306PAGNPAGマイナス繁殖
307PAGPPAGプラス繁殖
601MILK_TEST乳検乳検
611MOVE群変更(PEN移動)管理

特殊入力が必要なイベント(詳細)

🐮 分娩(CALV)イベント番号:202
分娩イベント入力

画面イメージ④:分娩イベント入力

入力項目選択肢
分娩難易度1:自然分娩 / 2:介助 / 3:難産 / 4:獣医師による難産 / 5:帝王切開
双子チェック双子の場合はON
子牛性別♀ / ♂(子牛ごとに選択)
分娩を入力すると産次(lact)が自動更新され、DIM(分娩後日数)のカウントが開始されます。
💉 人工授精(AI)イベント番号:200
AI入力

画面イメージ⑤:AI入力

入力項目説明
授精師「農場設定 → 授精設定」で登録したコードから選択
授精種類自然発情 / CIDR / OvSynch 等(種類コードは英字。事前に「授精設定」で登録)
精液(種雄牛)省略可
授精師コードと授精種類は「農場設定 → 授精設定」で事前登録が必要です。未設定でも入力はできますが、繁殖検診レポートの「種類別受胎率」に反映されません。
✅ 妊娠鑑定プラス(PDP)イベント番号:303

直近のAIが受胎した場合に使います(最も一般的な妊娠鑑定プラス)。

妊娠鑑定プラス(PDP)

画面イメージ⑥:妊娠鑑定プラス(PDP)

PDP入力後、繁殖コードは「5:妊娠中」に自動変更されます。分娩予定日もAI日から280日として自動計算されます。
✅ 妊娠鑑定プラス(直近以外)イベント番号:304

直近のAIではなく、それより前のAIが受胎していた場合に使います。
例:「ひとつ前のAIで実は妊娠していた」

妊娠鑑定プラス(直近以外)

画面イメージ⑦:妊娠鑑定プラス(直近以外)

「どのAIが受胎したか」を正しく選ぶことが重要です。分娩間隔・妊娠率の計算に影響します。
✗ 妊娠鑑定マイナス(PDN)イベント番号:302
妊娠鑑定マイナス(PDN)

画面イメージ⑧:妊娠鑑定マイナス(PDN)

PDN入力後、繁殖コードは「4:空胎」に戻ります。次回の繁殖検診では「繁殖検査2」対象として自動リストアップされます。
🧪 PAGプラス(PAGP)/ PAGマイナス(PAGN)イベント番号:307 / 306

PAG(妊娠関連タンパク質)血液検査の結果を記録します。

イベント入力項目
PAGプラス(307)性別(♀/♂、わかれば)、双子チェック
PAGマイナス(306)なし(日付のみ)
PAGPもPDPと同様に「妊娠中」として扱われ、妊娠率(21日PR)の分子にカウントされます。
📋 繁殖停止・売却・死亡
イベント効果
繁殖停止 STOPR(204) 繁殖コード「1:繁殖停止」となり、繁殖検診対象から外れる。AIを入力するかSTOPRを取り消すと解除。
売却 SOLD(205) 牛群から除籍。個体カードが赤く表示される。繁殖検診・妊娠率の計算対象外。
死亡・廃用 DEAD(206) 同上。

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各種設定(繁殖検診の準備)

設定をしないと繁殖検診は始められません。まず最初に行いましょう。

農場設定メニュー

画面イメージ⑨:農場設定メニュー

📄 4-1. 授精設定(最初に必ずやること)

授精師の登録

コード授精師名(例)
1佐藤
2山田

授精種類の登録

コード授精種類名(例)
A自然発情
BOvSynch
CCIDR

授精師のコードは数字でも構いません。授精種類のコードは半角英字のみ(数字不可)です。混同に注意してください。

ここで登録したコードがAIイベント入力時のプルダウンに表示されます。繁殖検診レポートでも「種類別受胎率」として集計されます。
📋 4-2. PEN設定

群(PEN)のコードと表示名を登録します。

コードPEN名(例)
1Lactating 1
2Lactating 2
3Dry
4Heifer
PENを設定すると繁殖検診表に「群別」の表示が可能になります。
📝 4-3. 繁殖検診設定(繁殖検診の核心)

各検診区分のON/OFFと日数閾値を設定します。

繁殖検診設定

画面イメージ⑩:繁殖検診設定

検診区分対象牛の条件
フレッシュチェック分娩後N日以上経過し、まだ検診を受けていない牛
繁殖検査1フレッシュ後、AI/ET歴がない牛
繁殖検査2AI後に妊娠鑑定マイナスがあり、現在オープンの牛
妊娠鑑定最終授精からN日以上経過した牛
再妊娠鑑定妊娠中で、最終授精からN日以上経過した牛
分娩予定超過分娩予定日からN日以上超過した牛
育成繁殖1月齢N以上でAI歴なし(未経産牛)
推奨設定(デフォルト値のまま使えます)フレッシュ:30日 / 妊娠鑑定:30日 / 再妊娠鑑定:60日 / 分娩予定超過:14日
💊 4-4. 繁殖処置設定

繁殖検診で使う「処置プログラム」を定義します。各処置には「コード」「名前」「薬品プロトコル」を設定します。

繁殖処置設定

画面イメージ⑩-1:繁殖処置設定(処置一覧・プロトコル・使用薬品)

コード(例)処置名使用薬品
1WPGPG注射
2CIDR膣内留置 + GnRH
3OvSynchGnRH → PG → GnRH
ここで定義した処置が繁殖検診入力画面のプルダウンに表示されます。農場で実際に使うプログラムのみ登録しましょう。
🧪 4-5. 農場薬品設定

繁殖処置で使用する薬品の製品名と単価を登録します。

農場薬品設定

画面イメージ⑩-2:農場薬品設定(PG・GnRH・処置料)

カテゴリ登録例最大数
PG製剤エストラメート、プロネスト3種
GnRH製剤ファーティレリン、コンセラール3種
膣内留置製剤CIDR、PRID3種
その他任意薬品5種
処置料超音波検査、筋肉注射、膣内留置、薬治各1
薬品と処置料を登録すると、繁殖検診レポートに「1頭あたりの薬品コスト」が自動集計されます。
🎯 4-6. 目標設定(農場KPI)

農場の目標値を設定します。ダッシュボードグラフに「目標ライン」として表示されます。

40%
受胎率(目標)
↑ AI1回あたり
60%
授精実施率(目標)
↑ サイクル内
20%
妊娠率 21日PR(目標)
↑ 繁殖効率の核心
420日
分娩間隔(目標)
↑ 目標分娩間隔

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繁殖検診をやってみよう!

獣医師の方へ。繁殖検診の流れをステップで解説します。

繁殖検診フロー画面

画面イメージ⑪:繁殖検診フロー画面

📄 ステップ 1:繁殖検診表で対象牛を確認する

「繁殖検診表」→「開く」をクリックします。設定した日数閾値に基づき、今日の検診対象牛が一覧で表示されます。

繁殖検診表(一覧)

画面イメージ⑫:繁殖検診表(一覧)

列見方
分娩後日数/月齢分娩からの経過日数(自動計算)
前回検診結果前回検診時の結果コード(GNNS・WPGCFR 等)
最終AI日/ET日最後に授精・移植を行った日付
授精後日数最終AI/ETからの経過日数
検診コード今日何をすべきか(フレッシュ1・繁殖1・妊娠鑑定・再妊 等)
一覧は印刷プレビューから印刷できます。空白Excel検診表の出力や、検診表のExcel一括吸い込みはありません。検診の記録は繁殖検診入力で行います。
※ 同じフロー画面の「AI/ET」等の別カードにはテンプレ/吸い込みがありますが、検診表用ではありません。
✏️ ステップ 2:繁殖検診入力を行う

「繁殖検診入力」→「開く」→ 検診日を入力して「抽出」ボタンを押します。対象牛が一覧表示されます。

繁殖検診入力画面

画面イメージ⑬:繁殖検診入力画面

「処置/結果」コードの使い分け(重要!)

コード意味使うタイミング
2フレッシュチェックフレッシュ区分の牛を検診
3繁殖検査実施繁殖検査1・2の牛を検診
4妊娠鑑定マイナス(PDN)妊娠していなかった
5妊娠鑑定プラス(直近AI)直近のAIで妊娠確認
6妊娠鑑定プラス(直近以外)以前のAIで妊娠確認
7PAGマイナスPAG検査で陰性
8PAGプラスPAG検査で陽性(妊娠確認)
コード5・6・8を選ぶと、その牛は即座に「妊娠中」ステータスに変更されます。入力ミスのないよう確認してから「全件保存」をクリックしてください。
📊 ステップ 3:繁殖検診レポートで結果を確認する

「レポート出力」→「開く」→ ダイアログで検診日を指定し、「繁殖レポート」にチェックを入れてOKを押します。ブラウザにHTMLレポートが開きます。「集計」ボタンはありません。

繁殖検診レポート

画面イメージ⑭:繁殖検診レポート

指標見方・目標
妊娠率(21日PR)21日サイクルごとに妊娠した割合。目標20%以上。
受胎率AIした牛のうち妊娠した割合。目標40%以上。
授精実施率繁殖対象牛のうちAIされた割合。目標60%以上。
種類別受胎率プログラム別の効果比較。

獣医師ポイント:妊娠率が低い時の原因分析

妊娠率(21日PR)= 受胎率 × 授精実施率

▸ 授精実施率が低い → 発情発見・タイミング同期の問題
▸ 受胎率が低い → 授精技術・牛の健康状態・栄養・熱ストレスの問題

レポートで「どちら」が引き下げているかを見極めることが改善への第一歩です。


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ルーチンの評価:ダッシュボード&レポート

牛群全体を俯瞰して、改善のヒントを見つけます。

ダッシュボード

画面イメージ⑮:ダッシュボード

表示内容意味・活用法
経産牛頭数・妊娠牛割合牛群の概要を一目で把握
21日妊娠率グラフ18サイクル分の繁殖効率推移。右肩上がりなら改善中。
泌乳段階別頭数分布フレッシュ・ピーク・後期・乾乳のバランス確認
牛群動態(頭数推移)月ごとの導入数・除籍数・分娩数の棒グラフ
獣医師ポイント:グラフの読み方妊娠率グラフが急落しているサイクルは「その時期に何があったか」を振り返りましょう。熱ストレス・疾病の流行・授精師の変更・プログラム変更などが原因として挙げられます。継続的にモニタリングすることで、早期に問題を発見できます。

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こんなこともできます!

繁殖管理以外の便利な機能をご紹介します。

🥛
乳検レポート
乳量・乳脂率・乳タンパク・SCC・BHB等の推移グラフとリスト表示。
データ管理 → データ吸い込み → 乳検
🧬
ゲノムレポート
ゲノム検査データをインポートして個体の遺伝的能力を確認。
データ管理 → データ吸い込み → ゲノムインポート
📅
繁殖周期カレンダー
個体カード内でAI〜妊娠鑑定までのイベントタイムラインを視覚表示。
🗓️
分娩予定カレンダー
今後の分娩予定頭数を週別・月別に確認。
帳票・分析 → ダッシュボード
📈
牛群動態
月ごとの導入数・除籍数・分娩数の推移をグラフで確認。
⚠️
長期空胎チェック
空胎日数300日超過牛を自動リストアップ。
個体チェック → 長期空胎チェック
🔔
分娩超過チェック
分娩予定日から15日以上超過した牛を自動リストアップ。
個体チェック → 分娩超過チェック

✓

まとめ:最初の1週間でやること

このスケジュールに沿って進めれば、1週間で稼働できます。

📁 Day 1 — 農場&個体登録
農場ファイルを作成する
個体マスターを登録する
(手動 or Excelインポート)
⚙️ Day 2 — 農場設定
授精設定(授精師・種類)
PEN設定(群コード)
繁殖検診設定(日数確認)
繁殖処置設定
農場薬品設定
📝 Day 3 — 過去イベント入力
分娩イベント(CALV)
AIイベント(過去分)
妊娠鑑定結果(PDP/PDN)
📄 Day 4 — 検診表確認
繁殖検診表を開いて確認
対象牛のリストを印刷
⚕️ Day 5 — 繁殖検診実施
繁殖検診入力を行う
全件保存する
📊 Day 6–7 — 評価
繁殖検診レポートを確認
ダッシュボードで俯瞰

?

困ったときは

よくある問題と解決策をまとめました。

症状確認ポイント
繁殖検診表に牛が出てこない 繁殖検診設定で該当区分がONになっているか / 産次(lact)が正確か確認
妊娠率が計算されない 経産牛(lact≥1)が登録されているか / サイクルが成立する期間のデータがあるか確認
AIのプルダウンが空 農場設定 → 授精設定 で授精師・授精種類を登録する
繁殖コードがおかしい 個体カードのイベント履歴を確認し、入力ミスのあるイベントを修正する
DIM(分娩後日数)がゼロ/おかしい 最終分娩イベント(CALV)が正しく登録されているか確認